专利摘要:
本発明は、一般式:MgxByMzHnによるドープされた水素貯蔵材料であって、式中、(i)x/yの比は、0.15〜1.5の範囲内であり、(ii)zは、0.005〜0.35の範囲内であり、(iii)x+y+zは、1に等しく、(iv)Mは、選択されたSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnの群から選択される1種または複数の金属であり、(v)nは、4y以下であり、ここで、x/yは、0.5に等しくなく、少なくとも一部が非晶質である該材料に関する。本発明は、さらに、水素を貯蔵するための本発明によるドープされた水素貯蔵材料の使用、ならびに水素を可逆的に脱離および/または吸収する方法に関する。
公开号:JP2011514245A
申请号:JP2010546299
申请日:2009-02-09
公开日:2011-05-06
发明作者:アレクサンドラ・テオドラ・アンゲル;ジャン−フィリップ・スーリエ;ダンカン・クリフォード・アラン・スミス;ブライアン・エリオット・ヘイデン
申请人:イリカ テクノロジーズ リミテッド;
IPC主号:B01J20-04
专利说明:

[0001] 本発明は、ドープされた水素貯蔵材料、水素を貯蔵するためのこのような材料の使用、ならびに本発明によるドープされた水素貯蔵材料を用いて水素を可逆的に脱離および/または吸収する方法を提供する。]
背景技術

[0002] 金属水素化物の形態での水素の貯蔵は、近年多くの注目を集めてきた。金属水素化物における水素の貯蔵は、化学吸着、すなわち、分子状水素(H2)が貯蔵されるのではなく、水素が金属と反応して金属水素化物を形成することに基づいている。金属水素化物の形態での水素の貯蔵は、例えば液体または圧縮状態における水素の貯蔵に比べて、低温または超過圧力の使用を必要としないという点において有利である。]
[0003] 特許文献1に、TiドープしたNaAlH4組成物を用いて水素を貯蔵できることが開示されている。特許文献1に、NaAlH4をTiでドープすることによって、水素放出温度が約200℃から140℃まで低下することが開示されている。しかし、TiドープしたNaAlH4は、水素原子を、貯蔵材料の重量当たり最大の水素貯蔵密度まで、約5重量%で含み得る。]
[0004] 非特許文献1によって、好適な代替手段は、テトラヒドロホウ酸マグネシウム、すなわち、Mg(BH4)2の使用であることが提案されている。この水素化物は、水素化物の重量を基準にして最大14.9重量%の水素を含み得る。しかし、水素放出開始温度は高く、水素が水素化物から放出される前に典型的には290℃を超える温度が必要とされる。]
[0005] Liら(非特許文献2)は、十分に結晶化したMg(BH4)2を脱水素化できることを示している。第2ステップにおいて、脱水素化された十分に結晶化したMg(BH4)2を543Kの温度および40MPaの圧力で48時間にわたって水素に付すことによって、脱水素化されたMg(BH4)2を再水素化する。第3の、脱水素化ステップにおいて、第2ステップで再水素化した材料から6.1質量%の水素を得ることができる。6.1質量%のうち3.9質量%は、第2ステップにおける再水素化の間のMgH2の形成によるものであった。Liらのプロセスの不利点は、このほんの少しの再水素化が、厳しい圧力および温度条件下で長時間行われることである。さらに、再水素化の間にMgH2を形成することは望ましくない。MgH2は、十分に結晶化したMg(BH4)2よりもかなり低い水素貯蔵容量を有する。]
[0006] 米国特許第6106801号明細書
国際公開第2005/035820号]
先行技術

[0007] Chlopekら、J. Mater. Chem.、2007年、第17巻、3496〜3503頁
Liら、Dehydriding and rehydriding processes of well−crystallised Mg(BH4)2 accompanying with formation of intermediate products、Acta Mater (2008) doi10.1016/j.actamat. 2007.11.023
J.−H. Herら、Acta Cryst. B63(2007)561〜568頁]
発明が解決しようとする課題

[0008] 当技術分野において、低い水素取り込みおよび放出温度ならびに穏和な再水素化条件での可逆的な水素貯蔵を可能にする水素貯蔵材料が、依然として必要とされている。]
課題を解決するための手段

[0009] 穏和な再水素化条件下で可逆的に脱水素化および再水素化しうる、遷移材料でドープされた、MgおよびBを含む水素貯蔵材料を調製することができることをここで見出した。]
[0010] したがって、本発明は、一般式:
MgxByMzHn
によるドープされた水素貯蔵材料であって、
式中、
(i)x/yの比は、0.15〜1.5の範囲内であり、
(ii)zは、0.005〜0.35の範囲内であり、
(iii)x+y+zは、1に等しく、
(iv)Mは、選択されたSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnの群から選択される1種または複数の金属であり、
(v)nは、4y以下であり、
ここで、x/yは、0.5に等しくなく、少なくとも一部が非晶質であるドープされた水素貯蔵材料を提供する。]
[0011] 本明細書において、ドープすることとは、ある量の別の材料を添加することをいう。]
[0012] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、対応する水素化物の水素脱離の開始温度が、Mg(BH4)2と比べて大幅に低下していることを示す。]
[0013] 本明細書において、水素脱離の開始温度とは、水素脱離が観察される最低温度をいう。さらなる態様において、本発明は、水素を貯蔵するための本発明によるドープされた水素貯蔵材料の使用に関する。]
[0014] なおさらなる態様において、本発明は、本発明によるドープされた水素貯蔵材料を用いて水素を可逆的に脱離および/または吸収する方法であって、
a)ドープされた水素貯蔵材料から水素を脱離することによって、ドープされた水素貯蔵材料を脱水素化して、水素ガスおよび部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を得るステップであって、得られる部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料が、ドープされた水素貯蔵材料に貯蔵することができる原子状水素の最大量の少なくとも10原子%、特に少なくとも30原子%、より特定すると50原子%を含む、ステップ;ならびに
b)部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を水素含有ガスと接触させることによって、部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を水素化して、水素を可逆的に貯蔵して少なくとも部分的に再水素化されたドープされた水素貯蔵材料を得るステップ
を含む方法に関する。]
[0015] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、比較的低い温度で貯蔵材料から水素を取り出すことを可能にしつつ、水素に関して高い貯蔵容量を与える。]
[0016] 本明細書において、脱水素化とは、水素貯蔵材料からの水素の脱離をいう。水素化または再水素化とは、水素貯蔵材料における水素の吸収をいう。]
実施例

[0017] 本発明は、MgおよびBを含み、以下の一般式:
MgxByMzHn (1)
を有するドープされた水素貯蔵材料を提供する。]
[0018] 本発明による、式(1)によって表されるドープされた水素貯蔵材料は、MgおよびBを0.15〜1.5、好ましくは0.15〜0.7のモル比(x/y)で含み、ここで、MgおよびBのモル比は0.5ではない。MgおよびBの好ましいモル比が、最も低い水素脱離開始温度を与える。より好ましくは、本発明による、式(1)によって表されるドープされた水素貯蔵材料は、MgおよびBを、0.48以上、なおより好ましくは0.48〜0.70の範囲のモル比(x/y)で含み、MgおよびBのモル比(x/y)は0.5ではない。MgおよびBのこのようなモル比は、高い水素貯蔵容量を与えることができる。特定の理論に拘束されることを望まないが、MgおよびBの化学量論モル比、すなわち、0.5のMg対Bのモル比以外の比でMgおよびBを含む組成物を提供することによって、Mg(BH4)2以外の望ましい組成物の形成が誘導されると現在では考えられている。化学量論組成からの偏差が小さいとき、例えば、MgおよびBのモル比(x/y)が0.49〜0.51の範囲から少なくとも外れていても、この効果が顕著であることがさらに考えられる。]
[0019] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、少なくとも部分的には非晶質であるか、または、完全に非晶質であってよい。本明細書において、非晶質とは、非結晶構造、すなわち、材料の少なくとも一部分が非結晶構造を有していることをいう。水素貯蔵材料の好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも50%、なおより好ましくは少なくとも90%、さらになおより好ましくは95%が非晶質である。本明細書において、非結晶構造とは、X線回折(XRD)分析において結晶ピークを確認することができない構造をいう。上記のように、特定の理論に拘束されることを望まないが、非晶質または非結晶構造は結晶材料に比べてその改善された拡散特性のために好ましいと現在では考えられている。]
[0020] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、MgおよびBの他に、Mとして式(1)において表される金属ドーパントを含む。Mは、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnの群から選択される1種または複数の遷移金属である。金属ドーパントが水素貯蔵材料において(再)水素化および脱水素化プロセスを触媒することを見出した。さらに、該ドーパントが、水素脱離温度の大幅な低下を誘導し得ることを見出した。好ましくは、該ドーパントは、Tiおよび/またはNiであり、そのより低い原子量からTiがより好ましい。]
[0021] 典型的には、ドープされた水素貯蔵材料の水素脱離特性は、ドーパントの添加量に依存しないが、最少量のドーパントが存在していることを条件とする。ドーパントの添加量を制限する因子は、増大した水素貯蔵材料重量および結果として生じる、貯蔵材料の重量当たりのより低い水素貯蔵密度である。]
[0022] 式(1)による組成物に存在するドーパントの量は、zによって与えられ、zは、0.005〜0.35の範囲内である。本発明によるドープされた水素貯蔵材料の場合、水素脱離挙動、すなわち、水素脱離温度が、ドープされた水素貯蔵材料におけるドーパントの量を選択することによって最適化され得ることを見出した。このような好ましいドーパント量は、式(1)(式中、zは、好ましくは0.005〜0.1、より好ましくは0.02〜0.07の範囲内である)による組成を有する材料を与えることによって得られる。]
[0023] 式(1)において、xは、0.2〜0.6の範囲内であってよく、yは、0.4〜0.85の範囲内であってよい。好ましくは、50%超の金属原子がB原子であり、すなわち、y>0.5であり、より好ましくは、yは、0.5〜0.85の範囲内である。増大した量のBを含む組成物は、貯蔵材料の重量当たりのより高い水素貯蔵密度のために、より多量の水素を貯蔵することができる。式(1)において、x、yおよびzの合計が1でなければならない。]
[0024] 式(1)による水素貯蔵材料はまた、水素を含んでいてもよい。水素の量は、水素貯蔵材料が完全に水素化されているか、または部分的に水素化されているかによることが認識されよう。水素貯蔵材料に貯蔵することができる水素の最大量は、材料中に存在するBの量およびより低い程度のMg、ならびに水素化された材料における水素原子の状態に関係する。特定の理論に拘束されることを望まないが、水素貯蔵材料におけるそれぞれのB原子が最大で4個の水素原子に結合し得ると現在では考えられている。したがって、nは、0〜4yの範囲内である。nが0であるとき、水素貯蔵材料には水素が存在しない。典型的には、nは、水素の不存在下で調製される、ドープされた水素貯蔵材料に関してのみ、0である。新たに作製された、水素不含のドープされた水素貯蔵材料は、水素と初めて接触した後、常にいくらかの水素を含有し、nは0ではない。]
[0025] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料には微量の他の金属原子が常に存在し得るが、このような微量の他の金属は、ドープされた水素貯蔵材料の水素貯蔵挙動に影響を与えないことが認識されよう。このような微量の他の金属原子は、例えば個々の成分中の不純物またはドープされた水素貯蔵材料の調製の際に導入される不純物に起因し得る。好ましくは、MgおよびBは、ドーパントと一緒になって、ドープされた水素貯蔵材料に存在する金属原子の少なくとも99原子%、より好ましくは少なくとも99.99原子%を作り上げる。より好ましくは、ドープされた水素貯蔵材料は、Mg、B、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZn以外の金属原子を含まない。]
[0026] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、金属MgおよびBまたはMgおよびBの金属間化合物をドーパントと緊密に混合することによって調製され得る。場合により、Mg、Bならびに/またはMgおよびBの金属間化合物は、それぞれの水素化物の形態である。]
[0027] ドーパントは、純粋な元素金属として与えられてよい。好ましくは、ドーパントは、ドーパント組成物の形態であり、ここで、該ドーパント組成物は、アルコラート、ハロゲン化物、水素化物、1種もしくは複数の言及される遷移金属からなる有機金属化合物または金属間化合物である。]
[0028] ドープされた水素貯蔵材料を作り上げる成分は、不活性雰囲気において、すなわち、真空中または水素以外の他の反応性のガス状成分もしくは蒸気成分を含まない雰囲気において、緊密に混合されてよい。例えば、1種または複数の該成分の酸化を抑制するために、雰囲気は酸素を含んではならない。好適な雰囲気の例は、例えば、窒素、水素、アルゴンガスまたはこれらの混合物を含む雰囲気である。]
[0029] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料を調製する好適な方法は、参照により本明細書によって組み込まれる特許文献2に記載されている「ウェッジ(wedge)」成長法である。この方法では、Mg、BおよびTiを超高真空系において蒸発させ、好適な基材上に堆積させて、水素化物を水素含有雰囲気中で調製することができる。この方法は、非晶質材料の調製を可能にする一方で、例えばLiらの参照文献(上記を参照されたい)に記載されている方法では、十分に結晶化したMg(BH4)2が生成された。他の好適な方法として、プラズマアーク法を挙げることができる。]
[0030] 本発明はまた、水素を可逆的または非可逆的のいずれかで貯蔵するための本発明によるドープされた水素貯蔵材料の使用にも関する。]
[0031] 水素含有ガスは、本発明による少なくとも部分的に水素化されたドープされた水素貯蔵材料から、水素を脱離する、または引き抜くことによって得られ得る。さらに、部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料が得られる。少なくとも部分的に水素化された材料は、水素化物の正確な組成および所望の平衡圧に応じて、好ましくは20〜500℃の範囲内の十分に高い温度、および好ましくは平衡圧未満の好適な圧力に付されることによって脱水素化されてよい。本発明の利点は、水素が、ドープされていないMgおよびBベースの水素貯蔵材料、例えばMg(BH4)2に比べて大幅に穏和な温度条件において、本発明によるドープされた水素貯蔵材料から脱離され得ることである。結果として、水素が、ドープされた水素貯蔵材料から、より低い温度で得られ得る。]
[0032] しかし、本発明によるドープされた水素貯蔵材料を可逆的に脱水素化および再水素化することができるようにするために、得られた部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料に水素が最小量で残存していなければならないことを見出した。得られる部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料は、ドープされた水素貯蔵材料に貯蔵することができる原子状水素の最大量の少なくとも10原子%、特に少なくとも20原子%、より特定すると少なくとも30原子%、なおより特定すると少なくとも40原子%、さらにより特定すると少なくとも50原子%を依然として含むはずである。本明細書において、ドープされた水素貯蔵材料に貯蔵することができる水素の最大量とは、ドープされた水素貯蔵材料に存在するホウ素原子当たり4個の水素原子の量(すなわち、n=4y)をいう。特定の理論に拘束されることを望まないが、ドープされた水素貯蔵材料から除去される水素の量を制限することによって、元素MgおよびBの形成が、少なくとも部分的に抑制されると現在では考えられている。脱水素化の間に形成される元素MgおよびB以外の中間生成物は、再水素化の影響を受けやすいと考えられる。]
[0033] 水素は、本発明による少なくとも部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を、水素含有ガス、好ましくは水素ガスに、好ましくは1〜50barの範囲内、より好ましくは5〜15barの範囲内にある高圧下で接触させることによって、ドープされた水素貯蔵材料に貯蔵される。ドープされた水素貯蔵材料が水素含有ガスと接触する温度は、典型的には10℃超、好ましくは10〜150℃の範囲内、より好ましくは15〜50℃の範囲内のいずれの好適な温度であってもよい。好適には、ドープされた水素貯蔵材料は、水素含有ガスと周囲温度で接触する。]
[0034] ドープされた水素貯蔵材料は、少なくとも部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を十分に再水素化するのに必要な任意の時間の間、水素含有ガスと接触する。好ましくは1〜24時間、より好ましくは5〜10時間の範囲内である。]
[0035] 少なくとも部分的に再水素化されたドープされた水素貯蔵材料が得られる。]
[0036] 本発明の利点は、本発明によるドープされた水素貯蔵材料を、例えば、Liらの参照文献(上記を参照されたい)に開示されている十分に結晶化したMg(BH4)2に比べて大幅に穏和な条件で水素化または再水素化しうることである。Liらは、脱水素化された十分に結晶化したMg(BH4)2を水素と400bar、170℃で48時間接触させることによって、十分に結晶化したMg(BH4)2を再水素化および脱水素化した。]
[0037] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料は、例えば、水素貯蔵タンクまたは水素電池において、単独で用いられても、水素を貯蔵するための他の材料と組み合わせて用いられてもよい。]
[0038] (実施例)
本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。]
[0039] サンプル調製
特許文献2に記載されている「ウェッジ」成長法を用いて薄膜サンプルを調製した。]
[0040] マグネシウム含有薄膜、ホウ素含有薄膜およびチタン含有薄膜をシリコンウェハ(例えば、Nova Electronic Materials Ltd)上に特注の超高真空系(1.3×10−12bar)にて堆積させた。水素化物サンプルをバックグラウンド圧力の水素(例えば、AirProducts、N5.5 (10−6torr))中で調製した。マグネシウム(例えば、AlfaAesaer、99.98%)を712Kで蒸着させた。チタン(例えば、Alfa Aesaer、99.99%)を1832Kで蒸着させた。マグネシウムおよびチタンの両方を浸出セル(DCA)から蒸着させた。ホウ素(例えば、Alfa Aesaer、99.9%)を電子線蒸着装置(Temescal single earth)から蒸着させた。誘導結合プラズマ質量分析を用いて組成分析を実施した。]
[0041] (実施例1)
材料の特性決定
一般式Mg0.16B0.81Ti0.03を有するサンプルを、X線回折(XRD)を用いて分析した。Mg(BH4)2は、2種の結晶構造:低温では六方構造;および高温では斜方晶構造を有する。六方晶構造から斜方晶結晶構造への転移は、162℃(435K)で起こる(非特許文献3を参照されたい)。本発明による調製されたドープされた水素貯蔵材料の結晶化挙動を調査するために、2個のサンプルを調製した。第1サンプルを150℃(423K)の温度までアニールして、六方晶構造の形成を誘導した。第2サンプルを210℃(483K)までアニールして、斜方晶結晶構造の形成を誘導した。両方のサンプルを、2θが16.7〜49.1の積分範囲にわたってジェネラル領域検出器(GADS)を用いて3600秒間積分されるXRD、Bruker D8(λCu(1.541nm))を用いて分析した。光源アームを11度に設定し、検出器を25度に設定して、約1mm2のスポットサイズにした。]
[0042] あらゆる酸化を抑制するために、サンプルをXRDの前に非晶質の二酸化シリコン膜(約100nm)で覆った。]
[0043] 低温でアニールしたサンプルついても、高温でアニールしたサンプルについても、XRDスペクトルにおいて確認されるXRDピークが全く無かった。このことは、検出可能な量の結晶材料が形成されなかったこと、および調製した材料が本質的に非晶質であったことを示している。]
[0044] さらに、一般式Mg0.16B0.81Ti0.03Hnを有するサンプルを、作製した状態のままで分析した。このサンプルにおいてもまた、XRDスペクトルにおいてXRDピークが確認されなかった。このことは、検出可能な量の結晶材料が存在しなかったこと、および調製した材料が本質的に非晶質であったことを示している。]
[0045] (実施例2)
脱水素化測定
マグネシウム含有薄膜、ホウ素含有薄膜、チタン含有薄膜を、微小電気機械(MEMS)素子アレイに堆積させ、薄膜材料のライブラリからの温度脱離実験を実施した。昇温脱離法を23Ks−1の速度で高真空チャンバー(1.3×10−12bar)内で実施した。水素分圧を、サンプルから20mmの位置にある四重極型質量分析計を用いて測定した。]
[0046] 本発明によるドープされた水素貯蔵材料、すなわち、0.2<x<0.6、0.4<y<0.85、0.005<z<0.35、および0.15<x/y<1.5である、代表となるサンプルの水素脱離挙動を、上記の方法を用いて測定した。]
[0047] Table 1(表1)は、多数のTiドープした水素貯蔵組成物の水素脱離開始温度を示す。非特許文献1は、Mg(BH4)2について、脱離が290℃で開始することを報告している。本発明による全てのドープされた水素貯蔵材料は、大幅に低下した水素脱離開始温度を示す。]
[0048] ]
[0049] 貯蔵材料の最適組成を決定するために、開始温度に加えて重量容量を考慮した。いくつかのTiドープした水素貯蔵組成物の得られた重量容量をtable 2(表2)に与える。最大の水素貯蔵容量は、B0.58Mg0.36Ti0.06の組成を有するTiドープした水素貯蔵材料において得られた。この材料は、23K/sの加熱速度を用いて425℃で観察された水素脱離におけるピークとともに、250℃の水素脱離開始温度を示した。]
[0050] ]
[0051] (実施例3)
脱水素化および再水素化実験
実施例1において特性決定したサンプルを、さらなる水素取り込みが観察されなくなるまで水素化した。23Ks−1の速度にて高真空チャンバー内で実施される昇温脱離法によって、水素化物サンプルを第2ステップにおいて脱水素化した。水素分圧を、サンプルから20mmの位置にある四重極型質量分析計を用いて測定した。脱水素化を595℃の温度で中断して、23Ks−1の速度で室温まで冷却した。この段階において、水素貯蔵材料は、貯蔵することができる原子状水素の最大量の約50原子%を依然として含んでいた。原子状水素の最大量は、熱脱離分析によって決定した。]
[0052] 得られた部分的に脱水素化されたサンプルを10barの圧力で8時間、周囲温度条件(23℃)下で水素ガスと接触させることによって、該サンプルを第3ステップにおいて再水素化した。MgH2の形成は観察されなかった。]
[0053] 最終ステップにおいて、第3ステップから得られた、少なくとも部分的に再水素化されたサンプルを再び脱水素化し、続いて最初のサンプルに用いたのと同様の温度プログラムによって、可逆的に再吸収することができる水素の量を測定した。第2ステップにおいて最初のサンプルから脱離した水素の量の23%が可逆的に再吸収されて、部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料となることが観察された。このことは、本発明によるドープされた水素貯蔵材料が、水素を可逆的に貯蔵することができることを示している。]
权利要求:

請求項1
一般式:MgxByMzHnによるドープされた水素貯蔵材料であって、式中、(i)x/yの比は、0.15〜1.5の範囲内であり、(ii)zは、0.005〜0.35の範囲内であり、(iii)x+y+zは、1に等しく、(iv)Mは、選択されたSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnの群から選択される1種または複数の金属であり、(v)nは、4y以下であり、ここで、x/yは、0.5に等しくなく、少なくとも一部が非晶質であるドープされた水素貯蔵材料。
請求項2
少なくとも90%、さらになおより好ましくは95%が非晶質である、請求項1に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項3
zが、0.005〜0.1、好ましくは0.02〜0.07の範囲内である、請求項1または2に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項4
Mが、Tiおよび/またはNi、好ましくはTiである、請求項1から3のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項5
yが、0.5〜0.85の範囲内である、請求項1から4のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項6
x/yの比が、0.15〜0.7の範囲内である、請求項1から5のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項7
x/yの比が、0.48〜0.7の範囲内である、請求項1から6のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料。
請求項8
水素を貯蔵するための、請求項1から7のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料の使用。
請求項9
請求項1から7のいずれか一項に記載のドープされた水素貯蔵材料を用いて水素を可逆的に脱離および/または吸収する方法であって、a)ドープされた水素貯蔵材料から水素を脱離することによって、ドープされた水素貯蔵材料を脱水素化して、水素ガスおよび部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を得るステップであって、得られる部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料が、ドープされた水素貯蔵材料に貯蔵することができる原子状水素の最大量の少なくとも10原子%、特に少なくとも30原子%、より特定すると少なくとも50原子%を含む、ステップ;ならびにb)部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を水素含有ガスと接触させることによって、部分的に脱水素化されたドープされた水素貯蔵材料を水素化して、水素を可逆的に貯蔵して少なくとも部分的に再水素化されたドープされた水素貯蔵材料を得るステップを含む方法。
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